CR42



840馬力 430km/h
1930年代と言えば、どこの国でも複葉機か単葉機かの議論があった
時期ではあるが、スペイン市民戦争でドイツと共にフランコ側を後押し
したイタリアでは、ドイツやソ連が高速の機体を志向した結論に達した
のと違い格闘戦を重視した結論に達してしまった。
ノモンハンでは日本軍も格闘戦至上主義をすり込まれてしまったが、
日本はまだしも単葉を志向したのに対して、イタリアは何と複葉に固執
してしまったのだ。
Me109が既に現れていた1936年に試作が発注された本機は、格闘
戦至上主義のパイロット達の考えを大きく反映してしまい、自国におい
てすら単葉機が飛行を始めていた1938年に登場した、時代遅れの
新鋭機となってしまった。
複葉羽布張り固定脚と完全に第一次世界大戦を踏襲した外見ではある
が、さすがに細部の煮詰めは新しい技術で処理されていた。
量産性も高い事から、あまり余裕の無い国々への販売にも成功している。
マルタ島上空や北アフリカ戦線が主な戦域であるが、勝ち馬(か?)に
乗る形でバトルオブブリテンにも参加したが、戦果を上げるどころか
イギリス空軍は強かった、と言う事を証明しに行ったようなもので、早々
に戦域から撤収している。
連合軍との単独講和を経てドイツ占領下で生産された本機は、ドイツ軍
が雑用機扱いで使用を続け、戦後も1950年代までイタリア空軍で
使用された。

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