SOC シーガル



550馬力 266km/h
1933年に競争試作形式で米海軍から発注された、カーチス社の水上偵察
観測機である。 手堅い複葉機形式だが、もともとはフロートを取り外せば
すぐに陸上用の降着装置が取り付けることが出来るように設計されており、
当時の米軍の仕様にマッチした機体で、1型135機は純粋な水上機仕様だ
が、2型40機は陸上機仕様として生産され、83機の3型では両方に対応
した本命のコンパチブルな機体である。 この3型の内64機が米海軍工廠
で生産され、工廠製の機体はSON−3のコードが充てられた。
着艦フックを取り付けた2型と3型が、小型の護衛空母などで艦載機として
運用されていた事もある。
結局、後任のSO3Cの方が先に前線から姿を消してしまい、本機が最後まで
太平洋戦争を戦い抜いた事となった。 米海軍が前線で実戦運用した最後の複
葉機である。
米軍は大きな主フロートと翼端の補助フロート形式が多く、日本は双フロート
式が印象に残り、ドイツは艇体を接水させる飛行艇式の機体が目立つ。
水上機に対する各国の考え方や設計思想がよく出ている。
また、米軍の当時の写真を見るたびに、当時の日本や科学の国と言われたドイ
ツの写真とくらべて、すごく画質が良いと思う。 これはカメラはもちろんフ
ィルムや現像液、焼き付け技術まで含めた総合力の画質だと思う。 これが国
力の差の顕現の1つだと思う次第。
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