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病気の話




急性疾患の症状と対処
@発熱
  一般に小児は成人に比して、胎生があり元気であることが多い。一応37.5℃を越えれば発熱ありとします。原因としては急性感染症が最も多いですが、その他に膠原病、悪性腫瘍、内分泌異常、心因性など、さまざまな原因があり、血液などの検査が必要になることもあります。発熱時はできるだけ水分補給、涼しい場所に移したり、冷却するなどで経過を見るのがよいですが、高熱が続くようであれば体力の消耗が激しくなるので、解熱剤を使用しますが、解熱薬の効果は一過性であり、本来の病気の経過を大きく変えるわけではないので、乱用は控えるべきです。

A発疹
  全身疾患の一症状として皮膚や粘膜に出る症状であり、感染症が原因であることが多い。その他に、アレルギー性、自己免疫疾患、薬疹、血液疾患などがあるのり、発疹の症状だけで原因疾患が推測できる病気もありますが、原因不明のために検査が必要なこともありますので、専門家に相談することが必要です。

B水分補給
 小児は成人に比して体重あたりの水分量が多く、水分の出入りのバランスが重要で、一般的に脱水に陥りやすいので注意が必要です。脱水に対する処置として、経口摂取で改善を行う場合は、少量頻回投与が原則です。脱水の程度が強いと、普段より著しく尿量が減少し濃い尿が出たり、不機嫌で元気がなくなり、皮膚の弾力が低下したりします。経口摂取が不可能な場合や脱水症が高度の場合は、補液が必要なことがあります。補液にはある一定の時間がをかけて補正することが必要な場合は入院加療になる場合もあります。

C救急処置
  ・痙攣(ひきつけ)
   小児期には、発熱の初期に痙攣(熱性痙攣)を生じたり、てんかん発作を生じたりすることがあります、意識消失を来したし呼吸が浅くなるような強い痙攣でも、呼吸は必ず回復します。痙攣発作時は危険な場所や周囲に危険物がある場合は安全処置をとり、姿勢は仰臥位、嘔吐がある場合は側臥位のして衣服を少しゆるめる。舌を噛まない目的で口腔内にものを噛ますことは避けること。発作が10分以上続いたり、一度治まっても再び生じるときには病院への搬送が必要な場合があります。
  ・心肺停止
   救急処置が必要なことを周りに知らせる。救急車を呼ぶ。→気道確保→口対口人工呼吸→心マッサージ(人工呼吸等については乳幼児期の健診時の各市町村で行っている保健指導を参考にしてください。)


子どものよくある病気

・突発性発疹
   ヘルペスウィルス6型による感染症。2歳までの乳幼児期に発症する。潜伏期間は約10日。急な発熱(39℃〜40℃)があるが、熱のわりに元気がある。3〜5日目に解熱し、同時に体幹から始まり全身へと広がる斑状丘疹が出現する。

・熱性痙攣
   38℃以上の発熱に伴って生じた全身痙攣で、発熱の原因が中枢神経感染症(脳炎など)でないものを言う。1歳頃から学童前まで起こりやすい。発症頻度は7%程度で、遺伝的素因が考えられている。再発が多い場合は抗痙攣剤で予防する。

・憤怒痙攣
   好初年齢は生後5ヶ月から1歳半である。啼泣時、最初に息を吸ったまま呼吸を止め、意識消失する。唇が紫色になったり、眼球上転、脱力を伴うが程度が強くなると反り返ることがある。約一分程度で回復する。脳波の異常なく、予後は比較的良好である。

・O脚X脚
  生後0〜1歳では生理的にO脚、生後2〜3歳にはX脚となる。その後10歳頃までにX脚は軽減します。O脚にはくる病や軟骨無形性症の病気があるのでひどいときは精査が必要です。X脚でひどく膝をするような場合も精査が必要な場合があります。

・先天性心疾患
  心臓に雑音が聞かれたり、脈が乱れる、皮膚や粘膜が暗紫青色等の症状があるときは、循環器の検査が必要です。主な疾患名と発生頻度は多い順に心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、動脈管開存症、大動脈狭窄症、ファロー四徴症、肺動脈弁狭窄症、大動脈弁狭窄症、大血管転位症です。

・上気道疾患
  発熱、鼻みず等があるかぜ症状をいいますが、のどの奥の咽頭部までの変化を来す疾患をいいます。ほとんどがウィルス性と考えられています。咳がひどく出たりする場合は気管支まで病状が進行したもので下気道炎(気管支炎、肺炎)と区別されます。

・急性気管支炎
  多くはウィルス感染により引き起こされますが、二次的に細菌感染を来すことがある。乾いた咳が次第に多くなってくる。進むと胸痛、呼吸促迫、嘔吐を伴うことがある。中耳炎、副鼻腔炎、肺炎を併発することがある。

・肺炎
  細菌(肺炎双球菌、溶連菌、ブドウ球菌、インフルエンザ桿菌、緑膿菌など)、ウィルス、マイコプラズマ、真菌の感染によつて罹患する。乳幼児では元気がない、食欲がない、機嫌が悪いなどの症状のほかに、多呼吸、発熱、チアノーゼ、呻吟、鼻翼呼吸、肋間陥没を認めます。適切な治療が必要であり、入院加療が主体となります。

・気道内異物
  異物が気管内に陥入することで急激な呼吸困難が出現し、救急処置が必要になります。異物によってはレントゲンに写らないものがあるので注意が必要です。子どもにとってピーナツなどの豆類は特に危険です。豆類を食べて急に咳き込むことがあればまず疑うことが必要です。

・水痘(みずぼうそう)
  水痘・帯状疱疹ウィルスによる感染症です。感染して症状が出るまでの潜伏期間は14〜21日、発熱と同時に発疹が出現する。発疹は2〜3日のうちに水疱を形成し黒いかさぶたになっいてきます。発疹はかゆみがあり、頭髪部を含む体幹に認められます。

・流行性耳下腺炎 (おたふくかぜ)
  ムンプスウィルスによる感染症、30〜40%は症状のでない不顕性感染である。潜伏期間は14〜24日、片側ないし両側の耳下腺の疼痛、腫脹が認められる。合併症に無菌性髄膜炎、精巣炎、卵巣炎、膵臓炎、片側性の聴力障害がある。

・伝染性紅斑(リンゴ病)
  ヒトパルポウィルスB−19による感染症。両側頬部のびまん性紅斑や四肢のレース状・網目状紅斑を認める。特別の予防対策は不要。

・手足口病
  エンテロウィルス(腸管系ウィルス)による感染症。夏に幼児に流行する。潜伏期は4〜6日症状は口内疹、手足の水疱発疹、臀部小発疹、口の中が痛くて食欲が低下したり、発熱がみられる。一週間程度で治ります。手洗いが予防に重要。

・咽頭結膜炎(プール熱)
  アデノウィルスによる感染症で3型・7型・11型で起こることが多いが40タイプ以上の血清型がある。潜伏期は5〜7日です。夏場に流行しプールで感染することが多く認められます。症状は発熱と眼瞼結膜の著しい発赤がある。発熱は午後から夕方にかけて上昇し4〜5日持続します。目の痛みやまぶしさを訴えることもあります。

・溶連菌感染症
  A群溶連菌による感染症。潜伏期は1〜2日です。幼児や学童期に咽頭炎を起こすことが多く、高熱、咽頭痛、扁桃炎、頸部リンパ節炎、苺舌などの症状をみます。全身症状で発疹がみられるのを猩紅熱といいます。後遺症として関節炎や腎炎を起こすことがあります。

・伝染性膿痂疹(とびひ)
ブドウ球菌や連鎖球菌による皮膚疾患です。非常にうつりやすく、膿がつくと広がり感染します。春から夏に乳幼児に多い病気であり、治療は抗生物質の服用と、抗生物質軟膏を用います。

・百日咳、麻疹、風疹、日本脳炎→予防接種の項参照


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