CAC ワイラウェイ



600馬力 356km/h
イギリスの自治領だった当時のオーストラリアが1936年に設立
した航空機会社がコモンウェルズ飛行機会社(CAC)である。
ともかく航空機戦力は本国イギリスとアメリカ頼みだったが、いざ
という時の為に、最低限の自前の機体が欲しかった。
とりあえず、アメリカのAT−6テキサン練習機の原型機を手本
にして、AT−6と似たような形のワイラウェイが出来上がった。
ただし胴体は羽布張りだったのだが・・・。
とりあえずAT−6と同じ練習機として運用を開始。 しかし虎の子
の実戦機F2Aがマレー半島に出張したまま戻ってくる気配がない
ので、とりあえず本国防空もかけもちする事となった。
少数のワイラウェイが雑多な双発爆撃機と共に、当時まだオースト
ラリアの前庭であったラバウルに配備されていた。
そんな時に南雲機動部隊が現れた。 強力な零戦の編隊に守られた
攻撃隊が迫ってくる。 今までたまに姿を現していた飛行艇や中攻
とは比較にならない。
それでも出撃したのが8機のワイラウェイ「戦闘機」だった。
7分の空戦で、3機が完全に撃墜され3機が大破、無傷だったのは
雲から雲に逃げ回った2機だけだった。 当時、当代随一の戦闘機
隊に、二線級の練習機でヨタヨタと接近したのだからやむおえない
結果だろう。 どうやら出撃命令は相手をいつもの飛行艇や中攻と
誤認したもののようだ。
後に、20mm機関砲を装備した「ブーメラン戦闘機」が本機を母体
として製造されている。


ウォーバード見出しに戻る