アミオ354



1060馬力2発 480km/h
フランスの爆撃機としては、比較的綺麗な機体形状を呈している本機は
1934年に初飛行したアミオ341長距離郵便輸送機を軍用化した
もので、軍用型のディジグネーションが350系列である。
ほぼ円形の胴体断面や、流麗なテーパー翼が好性能の印象を与える。
ただ機体はそこそこ大きく、全幅は22m程。 1000馬力級2発
では結構しんどいかもしれないが、当時のエンジンとしては上々の馬力
だっただろうからやむおえない。
軽い上反角が付いた尾翼に双垂直尾翼を備えた351系を経て、結局は
354系で単垂直尾翼にもどった経緯がある。
351から354まで各型合わせて880機が発注されたが、完成したのが
終戦まで合計でも132機、開戦に間に合ったのがわずか42機。
部隊編成どころの話ではなく、完熟訓練ができたのかどうか、今更なが
ら心配してしまうところだ。
それでも500回ほどの出撃を繰り返し、13機を損失し敗戦に至る。
実戦用の儀装すらまともになされていなかった状態では、勇戦敢闘した
といえるだろう。 元郵便輸送機としては立派である。
フランス休戦後は、自由フランス軍、ヴィシー政府軍、ドイツ軍などに
よって運用され、政治の失態の結果を垣間見れる。 こうなってはもはや
機体性能云々の問題ではないのだから。

ウォーバード見出しに戻る