ロワール130
720馬力 226km/h
画像で見てとれる通り、カタパルトから射出される艦載用水上機として
発注された機体。 それにしても、紅豚から飛び出してきたかのような
デフォルメされているような機体形状だ。 かわいい。
水上機の特性であるエンジンの回転モーメントによる安定性の劣化に
対応する為だろうが、水平尾翼に付加された小さな垂直安定板が
余計にその趣を強調しているかのようだ。
ちなみにかわいいのは形状だけで、実際は3座機。
全幅は16mに達し、同じ3座の零式水上偵察機より2回り大きい。
主翼やフロート周りの支柱も多く、空気抵抗と引き換えに強度の上昇
に貢献している。
巡洋艦や戦艦への搭載を前提とした艦載型のLN130Mの他に、
海外の植民地に配置する為、厳しい気候条件や、劣悪な整備環境に
対応させた、更なる補強型のLN130Cも生産された。
カタパルトから射出されるだけでもかなりの機体強度を必要とするの
だが、それを更に補強したとすればすごいものだ。
1942年には全てのフランス艦から艦載型は撤去され、沿岸基地
から運用されるだけとなってしまった。 艦載する為の複雑な主翼の
折りたたみ機構もお役御免となっただろう。
結局、交戦状態に陥る所に配備された機体が少なく、機体の性格から
も華々しい戦闘など繰り広げられるハズもなく、150機たらずの
わずかな生産数ながら消耗は激しくなく、戦後しばらく運用された。
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