モスキート



1230馬力2発 612km/h
第2次大戦中の双発機としては、最も活躍した機体の一つで、
全木製の高速爆撃機としてデハビラント社が自主開発した。
最初、英航空省は計画を持ち込まれた時に「木製の飛行機は
もう作らないのですよ。」と言って設計者を追い返している。
当時は既に全金属製の機体が常識となりつつあったのだ。
本来、同じ強度を持たせようとする場合、金属製より木製の方が
重くなる。 しかしそれもデハビラント社の技術でクリアーした。
「エンジン以外は全部木製」とまで称される機体だが、木製機用
の木材はただのベニヤ板などではなく、硬化させる薬品や加工用の
薬品などの開発から行わなくてはならず、それがしっかりして
いないとモノにはならない。 基礎技術が物を言う分野なのである。
また、この木製構造こそが、モスキートの高速の秘密の1つである。
どんなに慎重に作業をしても、鋲で打たれた機体表面は必ず凹凸が
できるものであるが、接着された木製の外板は非常になめらかな
仕上がりで、機体表面と空気の摩擦による表面抵抗を局限まで
少なくしているのである。
とにかく多用途に使える機体で、戦闘機、爆撃機、偵察機、夜戦
電子戦機、対艦攻撃、パスファインダーなど、就いていない任務が
あるのか?と、思ってしまう。
パスファインダー仕様の機体に取り付けられたH2Sレーダーの
性能は極めて高く、夜間雲上飛行を行いながら灯火管制のかかった
ドイツの都市を識別できたと言う。
画像は機首の20mm機銃4門が見える戦闘機型の試作機。

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