スピットファイアー
1470馬力 584km/h
イギリスの救世主。 第二次大戦中の3大名機の内の1機。
試作型から最終生産型までに、全くの別機と言っても過言でない程の
改良・改修を加えられており、特にエンジン馬力の向上によって、
確実に高性能化していっており、特に最後期の生産型などに至っては
最高速度700km/hを越す域に達している。
故、堀越二郎技師に「うらやましい」とまで言わせたロールスロイス
マーリンエンジンはまさに高性能機の条件の1つだったのだろうか。
(後期型はより強力なグリフォンエンジンを装備。)
特徴的な楕円翼が美しい機体だが、この楕円翼が運動性の大きな秘訣
を握っている。 しかし製作に手間のかかる楕円翼と同じ程度の空力
効果を得られる直線テーパー翼と呼ばれる形式が世界の主流となった。
楕円よりも直線の方が作りやすい道理である。
1938年8月に部隊配備が始まり、翌年5月のダンケルク撤退戦に
おいて本格的にデビュー。 その後バトルオブブリテンへ突入して
メッサーなどとの壮烈な空中戦を展開することになる。
機体の性格やエンジンの点火系の相違などで、縦方向の機動はメッサー
に軍配があがるものの、薄い楕円翼の威力から横方向の機動は本機に
軍配があがる。 よく「メッサーとスピットの空戦能力は互角」とまと
められてしまうが、様々な要素から自分の得意分野に引っ張り込めた
方が勝利を収めれるのである。
最終的に防戦側の本機が勝利を収めれた理由は、同じ短距離迎撃機的な
性格のメッサーが侵攻制空戦闘機として運用されたのに対して、本機は
その性格通りに迎撃機として運用されたからに他ならない。
イギリス(と言うより連合軍)が攻勢に出ると、700kmにも満たない
航続距離しかない本機の代わりに、アメリカ製の戦闘機がヨーロッパの
上空を乱舞する事になる。
画像は母艦に係止されている海軍型のシーファイアーMk3型。
尾輪の前方に着艦フックの先端が見える。
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