マンチェスター
1760馬力2発 426km/h
傑作機ランカスターの母体となった失敗作。
ロールスロイスの野心的エンジン、ヴァルチャーエンジンを
動力とした双発機。 このエンジン、通常のV型エンジンを
上下対称に重ねX字にした無茶なエンジン。 しかもその
馬力を全て1本の主軸で受けようと言うから無謀。
予定通りに動けば、小型で高出力で双発並みの大きさで4発機
並みの性能が得られたのであろうが、予定通りいかないのが
こういう突拍子もないアイデアの結末である。
一応の性能としては4tの爆弾を搭載し、2000kmの航続
距離を持ち、400km/hオーバーの性能は当時としては
素晴らしいものである。
合計で202機が生産され、ドイツへの出撃も繰り返したが、
40%が作戦中に損失。 しかもその原因の大半がエンジン
に起因するトラブル。 さらに50機以上が事故で損失して
いるという物凄い機体である。
ともかくもマンチェスター最大の勲功は、極真っ当な設計思想
に立ち返り、信頼性の高いエンジンに換装した、ランカスターの
母体になったことである。
やはり、4発機並みの性能を狙った双発機では、本当の4発機
には敵わない。 日本の1式陸攻の防御力に問題があったように
マンチェスターには信頼性に問題があったのである。
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