ウォーラス
775馬力 217km/h
スピットファイアの設計者レジナルド・ミッチェルが設計した小型の
飛行艇である。 1933年にシーガルと言う原型機が完成し、まず
オーストラリア海軍に納入された。 その機体のエンジンを強化し、
機体強度を上げ、カタパルト射出可能としイギリス軍に納入された
のが本機である。
1936年までに216機が生産され、その後はサンダース・ロー社で
2型が転換生産された。 これは機体を木製としたタイプで461機が
生産され、主に救難機として運用されている。
通常真っ直ぐに取り付けられるエンジンが、本機では少し右に傾けて
装備されている。 プロペラのトルクによる進行方向の捻じれを補正
する為で、水上機では特に問題になりやすい特性への対処であろう。
川西の強風の試作機などでは、二重反転プロペラで対処している。
各国とも同じ悩みを抱えていたものだろうが、対処法は様々である。
本機は空軍や海軍も装備したが、沿岸警備航空団にも装備され、本国
周辺海域で対潜哨戒、洋上偵察、機雷敷設などにも用いられたが、
やはり本機の真価は、洋上に浮かぶ味方航空機の搭乗員を多数
救った事だろう。
こういった地味な支援活動を行う機体と、それを運用する者の活躍は
大きくクローズアップされる事はない。 しかしこういった活動こそが
華々しい活躍をする機体や搭乗員を支えているのである。
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