He111



1350馬力2発 430km/h
高速旅客機と言う名目で設計された高速爆撃機。
開戦時のルフトバッフェの主力爆撃機であるが、1937年
に配備された機体なので1940年には既に「高速」では
無く、バトルオブブリテンで散々な目に遭っている。
スペイン内乱から始まる多くの戦闘で、防弾不足、防御火器
不足、などが指摘され次々と改修した結果、さらに速度が
落ちていくという、ありがちなジレンマに陥っていった。
それでもスペイン・オランダなどでは都市部への組織だった
無差別爆撃を敢行して悪名を馳せたから、バカにできない。
胴体内に小型爆弾しか搭載出来ない構造になっている為に
大型爆弾は翼下懸吊するようにしている。当然、空気抵抗も
大きくなり、更に速度は遅くなる。
当時、急降下爆撃一辺倒のルフトバッフェにあった機体として
いくら都市爆撃を敢行したと言っても、本機を戦略爆撃機と
呼ぶにはいささか抵抗がある。
空軍の性格がそうであったように、本機もやはり戦術機で
あったと言えよう。
それでも、最大で2000kgもの爆弾を搭載できることは、
当時としてはたいしたものである。
九六陸攻の時代に生まれた機体が、一式陸攻並の搭載量を
持っているのだから。
本機もドイツ機のご多分に漏れず派生型が多い。
雷撃型などの比較的正常な派生型もあれば、阻塞気球を切断
するワイヤーカッター型などという不可思議な型、最後には
2機のHe111の主翼を接続、エンジンを何と5発にして
超大型グライダーを曳航するグライダー曳航型まで、変遷に
いとまがない。
またV1ミサイルの空中発射母機としても運用された。

ウォーバード見出しに戻る