Me410



1750馬力2発 624km/h
メッサーシュミットの名前に大きな傷をつけた失敗作Me210を
モディファイした機体。
外見上はそれほど変化は無いが、安定性の不足や突発的に
キリモミ状態に陥るなどの大欠陥は克服されている。
素人の私が三面図を見る限り、主翼のエンジンより外側の
後退角がかなり緩くなり、エンジン部分が前方に延長され
ている。 胴体後部の動力銃塔の存在から察するにキリモミ
の原因は、機体重量の分布が後ろに寄りすぎた事であろう。
設計段階でわかりそうなものなのだが・・・。
この改修前のまだMe210の時期に、量産機も出来上がって
いないタイミングで、ドイツ空軍は1000機もの大量発注を行
い、欠陥がわかり生産が中断された時点で、すでに3000万
マルクもの損失が出ていたと言う。
責任者ゲーリング、一歩前へである。
部隊に行きわたりだした時期は、既に1943年になっており、
そろそろ苦しくなってきた戦勢の為に、それほどの活躍はでき
ない戦況となっていた。
それでも、最大で50mmもの口径の機関砲を装備した機体も
あり、重爆キラーの一翼を担って必死の防戦を展開していた。
強力なエンジンにモノを言わせた高速力と2500kmにも及ぶ
航続距離の為に、長距離偵察や英本土爆撃も行っている。
結局は双発機ゆえの中途半端さから脱却しきれなかった機体
と言えるかも知れない。 乗員を1名に絞り、役立たずな動力
銃塔など取り払い、迎撃機なりの単能高性能を目指せば、また
違った結果になったかもしれない。

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