Ju52/3m
660馬力3発 270km/h
ドイツ兵から「タンテ・ユー(ユンカーおばさん)」と呼ばれた、ドイツの
主力輸送機で、1932年の産である。 機体表面を構成する外板は波打ち
構造になっており、現在のトタン板を貼り付けているような表面が特徴。
機体の構造強化と抵抗軽減を狙っていたらしい。 抵抗の方は逆に増えたの
ではないかと思ってしまうが、構造強化の狙いは正解で、輸送機と言う耐久性
の必要な用途の機種に格好の強度を与えている。
馬力の低いエンジンだが信頼性や稼働率が高く、3発エンジンは双発に比べ
飛行中の安全性も高いため、機体の性能にかかわらず兵士達から愛された。
ドイツの戦った全ての戦線で使用され続けたが、本機の大桧舞台はクレタ島
攻略作戦であろう。 友邦イタリアを支援する為、クレタ島に陣取ったイギリス
軍を撃滅するこの作戦には、ドイツの持つ3個空挺師団の全てが投入された。
そのパラシュート空挺隊員を輸送し、グライダーを曳航し、実に2万人以上の
兵員の降下を成功させた。
しかし低速のJu52/3mの損害も大きく、実に350機もの機体が損失した。
金木混合の生産性の高い機体は総生産機数は4800機以上にも達し、戦後
もしばらく使われた名機である。
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