He115
970馬力双発 355km/h
本機の前任機はHe59、木金混合で複葉羽布張りの旧式双発機だったが
そんな旧式構造から一気に全金属製の単葉機で、胴体内に魚雷も搭載可能
な胴体内武器庫も装備する近代的構造へと進化した。
胴体はかなり細く絞り込まれており、断面抵抗の低減に配慮した設計が伺
える。 また主翼も尾翼も大きめに作られているようで、安定性の向上が
意識されている。
被弾し不時着水した味方機の搭乗員を救うため、敵艦隊の弾幕の中を強行
着水し、見事に救助に成功した例もあるという。
ドイツの搭乗員の勇気と、本機の高い安定性が、そのような事を可能ならし
めたのだろうと思う次第。
しかも3人乗りとは言え、全長で17m、全幅で22mにも及ぶ大きな機体
で、同年代で言えば96陸攻くらい(微妙に差異はあるが)の大きさである。
その機体が、96陸攻とほぼ同じ出力のエンジンで、ほぼ同じ程度の速度を
出せるのであるから、双フロートという大きな空力的ハンデを背負っている
事を考慮すれば驚きに値すると思う。
ドイツでは急降下爆撃に重きを置いていたので、相対的に雷撃の価値は
低いものになっていたが、本機は急降下爆撃の用途はあたえられておらず
日本流に言うなら、水上雷撃機、と言ったところか。
緒戦ではイギリス周辺海域への磁気機雷の敷設を行い、少なくない損害を
被りながらも、イギリスの海上輸送網にダメージを与え続けた。
北方を所管するドイツの沿岸航空隊がレンドリース船団への攻撃にあたる
際などはかなりの低空まで降りて雷撃を敢行した。
戦前にノルウェーが購入していた2機のHe115は、ドイツのノルウェー
侵攻に際しイギリスへ脱出。 以後連合軍機として運用されたという。
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