Do217



1580馬力双発 518km/h

ドルニエ社が生産したDo17とマイナーチェンジ型の215。
それらの後継機にあたる機体が、本機である。
ドイツ産の14気筒空冷エンジンBMW801を双発で装備している。
液冷エンジンが戦闘機に優先供給されている事を考えれば、爆撃機へ
の空冷エンジンの装備は、被弾時の可動性も考えれば良い選択である。
ペイロードや武装を向上させる上に、年代に見合った性能を付与する
基本方針だった為、かなりの大型になった機体を合計3000馬力で
引っ張るのだから、いかんせん重くなる。
垣根越えのドルニエと言われた先代程の機動性は失われたが、搭載
量は2倍に達し、4トン迄の重量を搭載できた。
同じ双発の一式陸攻が1トン程の爆装、4発のB17が通常爆装なら
4.5トンである事から、相当な積載量である事がわかる。
時期的にはJu88のライバル機にあたるのだが、重爆撃機的な性格
の本機に対して、Ju88は汎用性に優れていた事から、生産数は
Ju88の15000機に対して夜戦込みでも1900機と、少々もの寂しい。
夜戦に転用された機体は、機首を段付きソリッドノーズに改装して、
FuG202リヒテンシュタインレーダーと20mm4丁を装備、背中にも
20mm4丁を持ち、日本の夜戦など問題にならない程の猛烈な火力を
誇った夜戦型はN−2型と言う。

イタリア降伏後、戦艦ローマをフリッツXで撃沈したのも本機である。

ウォーバード見出しに戻る