G50



840馬力 473km/h
1937年に初飛行した低翼単葉引込脚の全金属製の機体。
この機体がCR42より先に飛んでいるのであるから、いかに
イタリア空軍が格闘戦至上主義に傾倒していたかがわかる。
イタリアのパイロットの戦闘機に対する要求は、日本軍の
それと違わないほど厳しく、視界を確保する為に機体中央の
コクピット周辺は盛り上げられた設計になっており、そこに
ある風防は設計段階と初期の生産型こそ密閉風防であった
ものの、パイロット達からの要求で開放風防に改修された。
上面が少し切れただけのように見えるが、それでもおそらく
20km/hほどは速度が低下するのではなかろうか。
視界確保の為に胴体の正面面積が増え、理不尽な要求で
空気抵抗が増え、設計者が泣いたであろう事は容易に想像
できる。 軍略に携わる上級指揮官は、こういった状況に
対処しなければならない責務があると思うのだが・・・。
北アフリカ方面が主な戦場であるが、本機もCR42と共に
バトルオブブリテンに参加しているが、敵機との交戦は無く
事故による以外は損害は無い。 交戦していたら大損害が
出たであろう性能では、イタリア降伏時に残存機がほとんど
無かったと言う事もむべなるか。

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