局地戦闘機 紫電改 (シデンカイ)



誉21型1990馬力 596km/h
ピンチヒッターの「紫電」に、全面的な改修を施した機体。
主翼を低翼配置にするだけでなく、胴体断面を細く絞り込み、
二段引込脚を通常の引込脚に換装し、機体工作全体の部品点数を
3割以上減らし、工程を簡素化し生産性の向上をはかる等、ほと
んど別機と言える迄にモディファイされている。
海軍精鋭の第343航空隊における昭和20年3月19日の
松山上空戦は有名であるが、その時に主役を務めたのが本機である。
精鋭パイロットに操られ、無線装備を確実なモノにし、徹底的に
編隊空戦を訓練し、熟練度を向上させたパイロット達の操る
「紫電改」は制空権確保を命題に、爆撃機への攻撃は極力控えて
まっしぐらに援護戦闘機部隊に襲いかかり、敵戦闘機を実に40機
以上撃墜するという戦果を上げる。(日本側判断)
但し、空戦に戦果確認の重複は付き物なので、ある程度割り引く
必要があるかも知れないが、それでも、多くの米軍機が無線で救援を
求める程に慌てている事から、相当の戦果があったものと思われる。
米軍でも緊急時以外は命令系統を維持するために、編隊長以外は
あまり発信しないのが通例なのである。
帰り着いたパイロット達は343空の紫電改を「エキスパートパイロット
の操る新型機」と報告している。

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