二式水上戦闘機
栄12型940馬力 435km/h
前線進出地域において飛行場の確保が困難な場所での防空用の
機体として発注されていた、水上戦闘機「強風」の実用化の見込み
が遅れたため、その「間繋ぎ」として、急遽、零戦の水上機化が計画
された。 それが本機である。
主・補助フロートを付けた為に、重量、空気抵抗が増え、速度の低下や
上昇力の低下があったものの、基本が零戦なので水上機としては
運動性は群を抜いており、各戦線に配備され防空、哨戒、艦船護衛に
と十分な実績を残した。
爆撃機はもちろん、第二線級の陸上戦闘機なら、格闘戦に引き込めば
充分に対抗しえたのである。
小さな改造部分としては、尾翼ラダーの面積拡大、小さなフィンの追加、
電気回りの絶縁強化などが挙げられる。
結局、米軍の陸上基地造成能力と、空母機動部隊の打撃力の前に、
零戦でも生き残れない状況になると、本機もその活動に大きな制約を
受けていくことになるが、細々とながら終戦まで生き残った機体もある。
ただ、世界中を見渡しても陸上機を水上機に改造した機体で、ここまで
成功した機体はなく、「水上戦闘機」と言う機種で成功を納めたのはこ
の機体だけであろう。
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