水上戦闘機 強風 (キョウフウ)



火星13型1460馬力 482km/h
滑走路確保が困難な前線での制空権の確保を目的として開発が
始まった、生粋の水上戦闘機。
当初は2組のプロペラが左右逆に回転する2重反転プロペラを
採用して、水上機ならではのトルクを打ち消す構造だった。
陸上機以上に水上機の場合はエンジンのトルクによる偏差が
大きく、特に離水性能に大きく響く事から取り入れられた新機軸
ではあったが、やはりトラブルが多発した為にすぐに通常型式の
プロペラに変更された。
そういった事情もあった事から、配備時期が遅れてしまい、初期の
目的通りの運用は望むべくもない戦況に推移してしまった為に、
遂に真価は発揮できなかった。
それでも、各地で防空、哨戒、対潜攻撃などに用いられ、良く任務
をこなした。 関東にF6Fが来襲した際、手近にあった「強風」で
単機出撃し、F6Fの撃破に成功した強者もいたと言う。
現代の目から見て、その行動が無謀であるか、英雄的であるかは
意見が別れるところであろうが、F6Fに対する強風の評価は、
「2回り性能が低い」と言うものである。
尚、本機は初めて「自動空戦フラップ」を装備した機体でもあり、
その機構を継承する「紫電」「紫電改」の母胎となった事からも
その存在の意味は非常に大きい。

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