試作艦上戦闘機 烈風 (レップウ)



「ハ43」11型2200馬力 628km/h
日本の艦上戦闘機として開発された最後の戦闘機。
海軍側の発動機選定ミスから取り返しのつかない時間のロスをして
しまい、その期待された高性能を発揮できずに終わった未完の名機。
私が以前読んだ元海軍士官小福田中佐の著書によると、
  「攻撃機のように大きいが視界良好で操縦は容易、
             烈風こそ戦勢挽回の為の救国の傑作機。」
との、好印象を持たれた記述がある。
もしエンジン選定ミスが無ければ、1年近く前に出来ていてしかるべき
機体なので、本当に残念でならない。
本来なら昭和20年初頭には先行量産機あたりがF6FやP51と優勢に
砲火を交えているハズであったろう。
しかしそれはあくまで1対1の話しで、圧倒的な物量を前にしては、
いくら高性能機でも押しつぶされてしまうのである。
ドイツのMe262は1300機以上生産されたが、実戦配備されたのは
100機程で、一撃の気は吐いたものの、結局は物量の前に押しつぶ
されてしまった。 ジェット機ですらこうなのだ。 いわんや同じ土俵の
レシプロ機では・・・。
しかも終戦がもう少し伸びれば、F7FやF8Fと言った高性能レシプロ機
P80をはじめとするアメリカ産ジェット戦闘機が登場するのである。
残念ながら少数の「烈風」にこれらの大軍を相手に出来るとは思えない。

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