九七式艦上攻撃機



栄11型970馬力 377km/h
日本海軍初の全金属製で低翼単葉引込脚の艦上攻撃機。
出現当時は艦攻として世界レベルを抜いていた高性能機であった。
九七艦攻には2種類あり、1号艦攻は画像の機体で中島飛行機製、
2号艦攻はスパッツ付き固定脚の三菱製の機体で、両方が採用され
たが、結局は1号艦攻のエンジンを換装した3号が主力になった。
日本で最初の単発機による引込脚、主翼の折り畳み構造、ファウラー
フラップの採用、など多くの新機軸が盛り込まれた本機が設計された
当時の日本は、さすがに複葉機では限界が見えてきたが、引込脚か
固定脚かは、まだ論議の交わされている時期であった。
そんな時期に一気にこれだけ飛躍した飛行機を作ったのであるから、
刮目に値すると言うものである。
試作機が支那事変に投入され、艦隊配備機が真珠湾奇襲以来多くの
海戦で主力艦攻の座を務めた機体であったが、ミッドウェー海戦の後
は旧式化が進み、戦果より被害が多くなっていく。
順次、後継機の「天山」に置き換えられたが、既に空母艦隊の戦力は
その実力を激減してしまっており、戦えば敗北する状況に追い込まれる。
やはり最後は正攻法など望むべくもない状況に追い込まれ、リタイヤが
当然の九七艦攻は、自らの後継機らとともに敵艦に突入する道を歩
むこととなる。

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