艦上爆撃機 彗星 (スイセイ)



熱田21型1200馬力 552km/h
「敵艦上機行動半径外から行動でき、敵の追撃を振り切って攻撃を加え
うる艦上爆撃機」をコンセプトに、海軍空技廠が開発した高性能機。
但しあまりにも斬新な機構を盛り込んで作られた為に、試作機はともかく
量産機の性能が低下する悪弊を繰り返している面も見逃せない。
最初は二式艦上偵察機としてミッドウェー海戦に参加したが、何ら寄与
する所無く空母と共に沈んだ。 二式艦偵はいくらか偵察部隊にも回され
活躍しているが、決定版の彗星艦爆が量産軌道に乗っても、なかなか
可動率が上がらないのである。
日本の液冷機の宿命、エンジンが原因の可動率の低下が現れたのだ。
しかし、全てがエンジンの責任と言う訳ではなさそうで、艦隊の
航空隊や一部の部隊では他の機体と同程度の稼働率がある。
液冷エンジンへの慣れや、補器・補充部品の調達などで標準程度に
上がっているのである。 後期には空冷化した機体が生産され
稼働率は一層上がっている。
よって、実用性を無視した品評会用の試作機、と言う評価もあるが
それ程酷い事はない。 しかし、高性能を狙った野心的傑作機と
手放しで褒めるほどの良い評価もしがたい。
敗戦色が濃くなってから実戦投入された為に、大々的な戦果は無いが
一部の彗星は正規空母を撃破する活躍も見せている。
また、各部隊で嫌われた本機を、「芙蓉部隊」では数が揃うからと言う
理由で主力機として使用し続けて、沖縄やその海面上に夜間出撃を
数え切れないほど実施している。
また本機には斜銃を付けた夜戦型もあり、本土防空戦にも従事している。

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