一式陸上攻撃機




火星21型1800馬力2発 470km/h
列強の4発重爆並の性能を持った双発機を作れとの無理難題に対する
三菱の回答が本機である。
そしていつも犠牲になる防弾性能が、本機にも致命傷を与えてしまった。
撃墜された山本長官機にしても、もう少し防弾があれば助かったかも
しれない。 全く残念でならない。
完成当時は高速を誇った葉巻型の機体も、日進月歩の航空技術と
アメリカの生産力の前に、いつしか鈍足となってしまい、F6FやP38の
一撃離脱戦法の前に、一撃で火が付くことから「ワンショットライター」と
あだ名され、味方から、いや当事者たる一式陸攻の搭乗員自身ですら
「一式ライター」と蔑んだが、それでもパラシュートを背負う搭乗員は
非常に少なく、脱出する搭乗員はもっと少なかったと言う。
一撃で火炎に包まれ、敵地上空で紅蓮の炎に包まれて墜ちていく一式
陸攻を見た直援機のパイロットは、いまだに記憶を鮮明にしていると言う。
戦線の進展に伴い、本機ですら正攻法は難しくなっていき、だんだんと
薄暮、夜間、黎明の攻撃が主用されていく。
そして末期には究極の特攻機「桜花」の母機となり、多くの機体が帰ら
なかった。
「桜花」を抱いた母機の帰還率は異常に低く、会敵して「桜花」を投下した
母機のほとんどは未帰還となっている。
本機にとってもまさに「必死」の出撃だったと言えよう。
胴体後方の日の丸マークの場所に円形の搭乗員ハッチがあり、画像で
それが確認できると思う。

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