陸上爆撃機 銀河 (ギンガ)




誉12型1800馬力2発 548km/h
急降下爆撃のできる双発機として開発された高性能機。
下手な戦闘機を振り切るだけの速度が出せるが、いかんせんエンジンの
稼働率が低く、最後まで本機の脚を引っ張ることになる。
本機が登場した頃にはやはり正攻法では太刀打ちできない戦況になって
おり、少数が夜間戦闘機「極光」(キョッコウ)に変身したが、多くが特攻
出撃した。
よく映像や写真で見られる「撃墜される双発機」は、大半が本機であり
「少数の高性能機」が実戦ではどうなるかを現在に伝えている。
台湾沖航空戦、フィリピン戦、沖縄戦などにも出撃しているが、やはり
絶対数が少なく、赫々たる戦果は少なかった。
銀河は桜花22型(爆薬を減じエンジン換装で航続距離を伸長した型)の
母機としての候補にも挙がっていたが、幸運にも桜花22型は実戦投入
されずに終戦を迎えている。
画像はウルシー環礁に向け鹿屋を発進する攻撃二六二飛行隊、
2度と帰還することの無い「梓」隊の1機。
銀河は一度だけ信じられない奇跡を起こしている。 特攻突入した1機の
銀河が米艦の近くに撃墜された。 ところが前方射手席の搭乗員が投げ
出され米軍に救出されたのだ。 特攻機が突入して、搭乗員が助かった
例は、この一例以外に私は知らない。
「銀河」の息吹を感じられる物が今でも見れる。 新幹線ひかり0系である。
0系の前部の設計は「銀河」を参考にしているという。
その0系も早晩、リタイヤすると言う事である。
記憶に残しておくものが、1つ、また1つ、と消えていくのは淋しい限りである。

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