水上偵察機 瑞雲 (ズイウン)




金星54型 1300馬力 439km/h
急降下爆撃が可能な複座水上機。
フラップには二重スロッテッドフラップが採用されており、空戦フラップと
しての使用も可能な優れ物で、当然、離着水の時にも効果を発揮した。
構造はかなり複雑になるのだが、普通、水上機はそれほど多数を生産
しないので、特に問題は無かったと思われる。
急降下時の制動板は左右の浮舟支持柱に装備されており、フラップの
構造と共に、画像で確認できると思う。
レイテ戦や沖縄戦では本機が薄暮、夜間、黎明時を主に、米艦艇や
陸上基地を250kg爆弾で爆撃している。
また、本来の偵察任務や、対潜哨戒にも従事、例外的にタ弾を装備し
重爆迎撃を行ったケースもある。
性能的には当時の水上機の性能を一回り上回っており、稼働率も高く、
極めて優秀な機体で、戦後の米軍調査でもかなり注目されたと言う。
翼面荷重が104kgに達しているらしく、着水速度は140km/h近く
まで上がっている。 零式水偵の着水速度105km/h前後から比
べればその速さがわかろうが、最高速度も70km/h近く上がっている
為に、仕方ないと言えば仕方ない。 しかし、翼面荷重だけを見るならば
零戦のそれと互角かそれより低いのである。
それが「高翼面荷重」とされているのであるから、水上機の設計がいかに
難しいか、少しわかる気がしないでもない。

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