零式水上観測機




瑞星13型 875馬力 370km/h
もともと艦載の着弾観測機として設計された機体。
戦闘機にも勝る格闘戦能力を要求された為、何と複葉の機体となっている。
下駄履きの複葉機と聞けば、あまり期待できそうにないが、その実は大変
有効な機体であり、各地で活躍している。
機体の後方こそ、重量軽減を狙って羽布張りとなっているが、他は金属製
であり、かなり空気抵抗を軽減する設計となっている事から考えれば、
完成度はかなり高いと言える。
複葉機とは言え、役に立たない最新鋭機よりもよほど優秀な機体であった。
テスト飛行において、特殊飛行中の問題が発生した為に、改修がくわえられ
垂直尾翼面積が85%も増加していると言う。 原設計では半分強の大きさ
しかなかった事になる。 一度見てみたいものだが、その改修のおかげで、
嘘か本当か、特に格闘戦能力はその点で超一流とされている96式艦戦と
同等と判断されていた。 武装が7.7mm機銃なので、防弾の優れた機体
との空中戦は荷が重かったと思われるが・・・。
昭和17年1月12日、零式水観が大きなミスをしている。
セレベス島に落下傘降下するための兵員を乗せた、味方の九六式輸送機の
大編隊を攻撃、アッと言う間に2機を撃墜してしまったのである。
作戦を援護する為の艦隊の上空を編隊が通過した時だったので、その艦隊
の所属機と思われる。
零式水観のパイロットのミスだが、それだけの編隊に直掩機も付けなかった
点も見逃せない。 そして、防弾が完備されていない機体が相手なら、
十分な戦力になる証明を(不本意ながら)した事になろう。

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