九四式水上偵察機




九一式600馬力2型 750馬力 239km/h
複葉・羽布張りの機体はいかにも古めかしいが、水上機としては異例の
液冷エンジンを搭載している1号型と、換装して空冷エンジンを搭載した
2号型とがある。  画像は液冷エンジン搭載の1号型
両機の航続距離は当時としては驚異的な2500kmに迫っている。
これは増槽を搭載していない場合の零戦のそれを凌いでおり、当時の
単発水上機としては驚異的なものである。
各艦船や基地航空隊に配備され、航続距離の他にも良好な安定性や
操縦性などが買われ、第一線を退いた後も哨戒飛行、船団護衛、
連絡飛行などの用途に用いられ続けた。
結局、終戦まで戦い抜き、沖縄戦では特攻機として散っていった。
ところで、あまり知られていないが、英空母ハーミス撃沈の写真を撮影
したのは、重巡洋艦「阿武隈」搭載の本機である。
機には、後に「芙蓉部隊」司令となる美濃部大尉(当時)が機長として
搭乗しており、この一葉(遠景)は大尉の手により撮影された物である。
(私見:近影も同じ撮影と思うが、確認資料入手できず。 残念。)
1180L搭載していた燃料が、帰投時には18Lしか残っていなかった
と言う、きわどい偵察行だったと言う。

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