零式水上偵察機




金星43型 1060hp 367km/h
三菱製の心臓を搭載した愛知航空製の傑作水上偵察機。
設計時の要求速度370km/hに対し、当時の現用水上機の速度が
250km/h前後であるから、相当厳しい条件であったろう。
設計関係者いわく、フロートを取り外せば70km/h程度の速度の
向上が望めるらしく、三座機(重量が大幅に増大する)である事や各種の
無線機や航法計器の重量を勘案すれば、同じ「零式」の戦闘機に劣らぬ
傑作機と言えよう。
多くの戦艦、巡洋艦、に搭載され、艦隊の目として大戦を通じて活躍。
重巡「筑摩」搭載機の敵情第一報が、真珠湾奇襲の成功を導き、そして
「筑摩」の唯一の同型艦「利根」搭載機の30分遅れた索敵偵察発進が
ミッドウェーの大敗の引き金になった事は有名である。
20mm機銃を装備した対小型舟艇用の襲撃機型や魚雷を搭載できる
雷撃機型、ロケット弾を搭載する軽攻撃型などの派生型が存在する。
また、「東海」にも搭載されている「KMX」を装備した対潜型なども
存在し、生産機数1400機の水上機にしては派生型が多い。
それだけ本機の性能が良かったと言うことの証明であろう。

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