一式戦闘機 隼 (ハヤブサ)



「ハ25」970馬力 516km/h
設計段階で「速度」と「航続距離」を要求しておきながら、運動性も
損なってはならないと無茶な要求を、可能な限り体現した機体である。
しかし、格闘戦で九七戦に勝てないことから一時は潰されかけた。
蝶型空戦フラップを装備して運動性を稼ぐようにしたが、運動性の
悪化は「引込脚」が問題ではないかと疑われ、何と固定脚を付けた
試作機まで作られると言う、ドタバタを演じた事もある。
結局、長大な航続力や九七戦より高い速度などが南方戦線で必要と
なった為に急遽採用さた。
工場から生産設備を撤去する所だったと言うから、危ない所だった。
飛行第五九戦隊に続き、加藤隼戦闘隊で有名な加藤少将(戦死後)
の率いる飛行第六四戦隊にも配備され、緒戦は華々しい戦果を上げた。
マレー方面のイギリス軍機は、多くが「隼」によって駆逐されてしまった。
しかし、主翼の強度不足や貧弱な火力、速度不足など多くの問題を
内包していたのである。 その上に敵兵力に対して、機体もパイロットも
不足していた。 開戦時に陸軍が持ち得た最新鋭機「隼」はわずかに
40機。  それ以外は、敵機に追いつけない九七戦であった。
主翼に桁を3本も通した事が仇となって、主翼内に機銃を搭載できず、
また3本桁の内、1本でも異常を起こせば主翼破損(墜落)に繋がる。
戦況が本土防空戦に移行しても酷使されるが、翼面加重が低いので
意外にも、高高度での操作性は他機よりも良いらしい。
(と言っても、知れた程度だが・・・。)

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