四式戦闘機 疾風 (ハヤテ)



「ハ45」1860馬力 624km/h
大東亜決戦機の期待を一身に受け、試作発注時から、絶対採用、
失敗不許、と言われた機体。
生産期間が短いにも関わらず、その生産機数は零戦と隼に次ぐ
第3位、約3400機を記録している。
しかし肝心の「誉」エンジンはトラブル続出。   プロペラにまで
ハンチングと言う致命的とも言えるトラブルが出て、制式採用後も
かなり問題を抱えていた。
エンジンと機体の両方を試作品同士で設計してはいけないと言う
ガイドラインを無視したのであるから、仕方ないと言えば仕方ない。
ただ、機体の設計は頑丈で、ちょっとやそっとの胴体着陸で壊れ
る事は滅多になかったと言う。
また、稼働率にさえ目をつむれば、速度、火力、防御力、運動性、
上昇力、いずれにも優れており、陸軍初の2000馬力級戦闘機に
しては非常にまとまっていると言えよう。
一度飛び立てば、その力を遺憾なく発揮し、連合軍の新鋭戦闘機と
互角以上の空戦を展開している。
余談だが、戦後の米軍調査に於いて時速700km/hに迫る速度
を記録している。 この時は優秀な補器(点火プラグやコード等)を
使用し、燃料も高オクタン価のガソリンを使っていたと言う。
日本には「それ」が無かったのである。 これが国力の差なのである。
世界最大級の戦艦は建造できても、点火プラグの質を上げる事すら
出来なかったのである。
しかし、高いレベルで完全に整備された「疾風」は米軍から「日本で
最高の戦闘機」と高い評価を受けた。
大東亜決戦機の名はやはり伊達ではなかった。

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