五式戦闘機



「ハ112」1500馬力 580km/h
日本陸軍最後の制式戦闘機。
液冷エンジンの生産が滞っている「飛燕」の機体に空冷エンジンを
装備した改修機だったが、予想外の高性能を発揮した上に可動率
が飛躍的に向上し、陸軍を狂喜させた。
前線から上がった「四式戦3機より五式戦1機を送れ」との要請が
五式戦の優秀性を証明していよう。
ただこの声は「大東亜決戦機として生産に拍車をかけている四式戦を
いきなり五式戦に切り替えては、生産現場も現地部隊も士気に関わる。」
との理由で握りつぶされている。
わからないではないが、バカげた理由でもある。 少なくとも五式戦へ
の量産体制の移行を早期に検討しても良かったのではなかろうか?
自軍の戦力をもっとも良く知るのは、戦っている前線の将兵である。
生産監督者や机の前の官僚軍人ではない。
結局、五式戦は「名前」をもらう暇もなく、終戦を迎える事になる。
実戦配備された頃には日本軍の方針が「戦力温存」になってしまった為
なかなか戦う機会が得られなかったが、少ない機会ながら戦った記録
はあり、F6Fに対しては、まずまずの戦績を残している。
日本側の撃墜記録は少々オーバー気味だが、末期の空戦にしては
互角の勝負になっていたのは確かなようだ。
「ハ112」は元々船舶エンジンを作っていた技術者が設計を担当して
おり、性能以上に可動率や耐久性を追求した為、希にみる「好性能」
エンジンに仕上がっている。
画像は風防まで涙滴型に改修した、五式戦の中でも後期の機体である。

ウォーバード見出しに戻る