百式司令部偵察機
「ハ112」1500馬力2発 630km/h
1742機もの生産数を誇る、日本陸軍の主力偵察機。
あまりの高性能に海軍も装備したほどで、第2次大戦中に陸海軍が
共通装備した第一線級の実用機は本機くらいであろうと思われる。
零戦と同時期の開発にも関わらず、初期型ですら速度では勝って
おり、エンジンの換装などのたびに速度が上がっていく。
外見的には平凡な双発機に見えるが、中身は細部に至るまで徹底
的に空力的な洗練を行った設計がなされている。
特にエンジン・カウリング内側の処理は、それまでの機体とは全く
違った処理がされており、空気抵抗の軽減に役立っている。
大戦初期は中国戦線で活躍し、中期以降は南方戦線で主用された。
アメリカのP38やイギリスのモスキート並に、撃墜しにくい高速
偵察機であったが、日本の迎撃機の性能は上がらないのに対して
連合軍の迎撃機の性能は飛躍的に上昇し、完備されたレーダー情報と
相まって、百式司偵の損害は増加していった。
大戦後半に至っては、さしもの百式司偵も高速機とは呼べなくなった。
特に米軍のP51の速度、P38やP47の高高度性能は、致命的な
障害になり、徐々に百式司偵の行動は制限されていく事になる。
それでも終戦まで情報収集を続け、損害以上の貴重な情報を得ている。
日本軍の機体にしては珍しく、10000m以上へ確実に上昇できる
性能のために、斜銃を装備し対重爆迎撃戦にも参加している。
第二次大戦前に配備されてから終戦まで、常に一戦級の性能を発揮
した類希な優秀機である事は確かだろう。
画像は機首に段差がない3型だが、2型までは普通の段差付きの
機首であった。
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