九九式軍偵察機



「ハ26」940馬力 424km/h
地上部隊に協力して様々な任務をこなせる多用途機的な要素を持って
いる機体で、もともとが九九式襲撃機からの派生型である。
実用性が高く、操縦性、運動性、ともに良好であり、偵察、連絡、
対地攻撃、対潜哨戒、など地味な任務を良くこなしていた。
いかんせん固定脚では、戦争後半には役不足となり、末期には全く
と言ってもよい程、役に立たなくなっていた。
しかし、本来の偵察や攻撃任務に就く事は出来なくなってからも、
連絡などには用いられ役立っている。
本機にとっては、はなはだ迷惑な話だが、陸軍第4航空軍がレイテから
「逃げ出す」際に、第4航空軍司令官である中将の輸送任務に使われた。
本来なら百式司偵で飛ぶハズだったが、離陸時のトラブルで発進でき
なくなってしまったのだ。 そこで、敵の制空権下であるにもかかわらず、
鈍足の本機が用いられたのである。  第4航空軍司令官と言えば、
日本にあった4つの陸軍航空軍の1つの最高責任者である。
つまり陸軍航空隊の全体の4分の1の兵力を仕切る立場である。
その最高責任者が上官の許可も得ずに、前線から逃げ出すのも問題で
あるが、その立場の人間を、敵の制空権下に鈍足機で放り出した参謀
連中も、相当な連中だと思う。  これが無敵皇軍の末期の実態である。
そんな本機も多分にもれず、その時期には体当たりを敢行している。

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