対潜哨戒機 東海 (トウカイ)
「天風31」610馬力2発 322km/h
日本軍は、潜水艦に対する警戒を、太平洋戦争中期まで、艦隊では
水偵や艦攻、陸では陸攻や飛行艇、リタイヤした二線級機に行わせ
てきた。 しかし、米潜水艦の活動が活発化し脅威が増すにつれて、
専用の対潜水艦用哨戒機の必要性を、否応なく感じてきた。
そんな経緯の中で本機の開発される土壌が育ってきた。
昭和19年10月に入って、やっと部隊編成ができるまでになったが
もはや特攻が始まっている戦局とあっては、なかなか活躍の場を与え
られる事がなく、終戦まで細々と日本近海の哨戒任務に付いていた
だけであった。
それでも、制空権さえあればまだ活躍できたかも知れないが、すでに
日本近海には機動部隊が出没しだしており、東シナ海の制空・制海権
などは完全に連合軍の手にあった。
しかしこの飛行機には、今でも信じられない程の性能が与えられている。
機体前面が全てガラス張りで、極めて良好な視界が得られる。
装備エンジンは出力こそ低めではあるが、信頼性は極めて高く、整備も
容易で、燃費も良好。 「東海」の性格に良くマッチした。
装備されているフラップは非常に大きく、ダイブブレーキの役も果たした
ので、敵潜水艦発見と同時に、急降下爆撃を敢行することもできた。
そして、機上無線器、帰投方位測定装置、そして電探(レーダー)まで
装備すると言うデラックスさである。 その上、「KMX」と言う日本独自の
磁気探知機まで装備しており、当時の日本軍が持ちえた最高クラスの
「電子戦専用機」であった。
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