一式双発高等練習機


ハ13型 515馬力2発 376km/h
中島製キ6の更新機として、1939年に陸軍から立川飛行機に試作が
打診された機体で、1940年夏に試作機が完成し、翌41年には制式
採用された。 1941年は皇紀2601年にあたり、その末尾2桁の
「01」から「一式」とされている。 他の陸軍機も同じ命名則である。
操縦訓練以外にも、飛行機乗員の各種の騎乗作業訓練に用いることがで
きる機体で、操縦と航法の訓練に主眼を置いた甲型と、射爆撃と通信訓
練に重きを置いた乙型の2機種の他、丙型の輸送・連絡機も生産されて
終戦までに1342機が飛び立った、なかなかのヒット作である。
画像の機体の背中にある半球状のドームが天測用の観測ドームで、甲型
であることがわかる。 乙型は訓練用の7.7mm機銃1丁を備えた
半球形の銃塔を、機体上面前後に2基装備し、その間をキャノピーで繋
いだ形状になっている。
当時の日本のエンジンとはいえ、このレベルのエンジンの信頼性は高く
そのおかげもあって機体は重宝された。
機内のスペースも各種作業に応えられるように広く設計されており、全
長11.94mの機体には9名まで乗り込める。
太平洋戦争終結後も、諸外国に残された機体が当地の軍隊等によって運
用されたという。


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