零式輸送機
金星53型 1300馬力双発 393km/h
後にアメリカの主力輸送機の1つとなるC−47に発展するDC−3。
そのDC−3を国産化しようとライセンス生産権を獲得した海軍は、昭和
飛行機を生産担当会社として指名。 陸上輸送機の本格的な整備計画に入
ることとなる。 昭和12年の事である。
昭和13年には部品輸入した機体の組み立て作業が始まり、昭和14年に
は完成機が海軍と民間航空に引き渡され、この後の完全国産化の端緒につ
いたと言えよう。
国産に伴い、幾分かの寸法規格の変更などを行ったが、何より大きな変更
は元々のライト・サイクロン1820を国産エンジンに変更した点である。
また洋上の長距離飛行に備えて燃料タンクも増設した。
主翼や水平尾翼の補強、コクピット窓の増設なども行われた。
エンジンはバージョンアップを繰り返しながらも、終始金星シリーズのエ
ンジンを装備し続けた。
最大速度はC−47の365km/hに対して、393km/h。
航続距離もC−47の約2600kmに対して、3800kmに迫ってお
り、額面だけを見れば輸送機としては優秀な仕上がりになっている。
ただし、1万1千機近い生産数のC−47に対して、本機のそれは所説あ
るが450〜500機弱と、文字通り2桁違う結果となっている。
ウォーバード見出しに戻る