その戦果2


出撃時刻が遅れた上に、二式大艇の巡航速度は遅く、突入
の時刻には周囲が漆黒の闇に包まれた。
その上、その頃には隊長機に続く編隊の銀河はわずか5機。
8割の機体が脱落していた。 しかし・・・

ウルシー環礁で投錨していた空母「ランドルフ」が突然の
大爆発を起こした。 飛行甲板後方に巨大な破孔が開き、格納庫
の飛行機が多数、破壊されて燃料に引火した。
銀河1機、800kg爆弾1発、搭乗員3人のあげた戦果である。
しかし、残念(と、言ってはいけないのかもしれないが。)ながら
それが限界だった。 瞬時に全ての灯火が消え、目標が闇に遮蔽され
てしまった。 目標の艦船をつかめずに銀河は次々と誤った目標に
突入していった。 飛行場に突入した機体はまだマシだった。

72人の搭乗員の必死の覚悟、銀河11機と二式大艇1機、搭乗員48名
の喪失、多くの人員の努力と決意の結果としては小さな戦果だった。
特にアメリカにとって空母1隻大破は痛かろうとは思うが、日本が
喪失したモノに比べればまだマシだろう。 国力と生産力が違う。


特集見出しに戻る