航空体当たり攻撃
今、体当たり攻撃しろと言われて、はいそうですか、と言う人はいない
だろう。 体当たりしろ、と言う司令官もマズいないだろう。
戦闘は補充を受けて初めて継続できるのである。
1度の戦闘で壊滅していては補給が続く訳がないし、何より人が続かない。
その意味ではタラーンは奇跡に近いものである。
しかしそれはソ連が国家として優れていたからでも、スターリンの戦争指導
が卓越していたからでもない。
単にドイツには根本的に物資が無く、ヒトラーの戦争指導が、よりマズかった
と言うだけの話しである。
日本の特攻隊は最もエスカレートした代表例であるが、日本以外にも航空機
による体当たり攻撃を組織だって行った例があると言う事を知って頂きたい
と思った次第。
これら以外にも、不測の事態などで帰還不能になった機体が、敵に体当たり
する例はどの軍隊にもあります。
しかし不測の事態と、組織だって目的意識を持って行うのとは全然意味が
違います。
戦争後半、特に連合軍航空機パイロットには、脱出して救助を待つ事が任務
とされる程に生存する事が求められました。 またそれをバックアップする
潜水艦や救助艇、救難機が多数配備されました。
イギリス軍などは「捕虜になってもパイロット」とばかりに捕虜になった
後も敵軍に損害を与えろと教育していたそうです。
敵の出す食事は、敵の物資を減らし、敵の損害になる、と言う訳です。
計算高い内心はどうであれ、兵を大切にする軍隊は強いものです。
「歩の無い将棋は負け将棋」と言う諺通りに、兵がいなくては戦えません。
あえてその兵を必死攻撃で失って行く愚を繰り返す事は、もう無い事と
思いたいものです。
必死攻撃はもとより、戦争や紛争を起こそうとする者共が戦闘で傷付く
ことはありません。 必死攻撃を認可した責任者自らが必死攻撃を行った
例なども私は知りません。
どうしても火中の栗を拾いたいのならば、まず自分が拾ってみせることが
肝要ではないかと思いますが、そう言う人はいませんねぇ。
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