日本近海の戦い



空母艦載機と陸上基地の戦いは、日本近海を飲み込みつつ
沖縄に移動する。 4月1日の攻撃開始に先立って、多くの
島々が陥落していく。 基地に分散配置されているわずか数機
の航空機がたとえ特攻出撃しても、一千機を上回る艦載機群に
太刀打ちできる訳が無い。
米空母機動部隊は神出鬼没で姿を現し、日本軍を翻弄し続ける。
沖縄戦では沖縄南方でゆっくり移動しながら遊弋していたが、
その守りは堅く、特攻機と言えども近寄れるものではなかった。
そして片道30分の距離から放たれた艦載機群は思うままに
沖縄を爆撃する。


戦闘機までがロケット弾で爆撃を敢行する。
空母の存在で手に入れた制空権は余裕を持った攻撃を可能とした。
この余裕はとりもなおさず日本軍の困窮を物語る。


そして沖縄の制空権が嘉手納基地によって確保されると、空母
機動部隊は日本本土への攻撃と乗り出す。
こうして日本上空に宿敵グラマンが飛び交う事になる。


発艦準備中のF6F。 日本の陸上基地を度々襲った宿敵。
米陸軍のP51も度々日本本土を襲ったが、F6Fの場合は
空母上空の迎撃機としても働いた為、日本の航空隊としては
より会敵の機会が多かっただろう。


日本本土各地の航空基地ももちろん艦載機との間で激しい
迎撃戦を繰り返したが、陸上基地の唯一の取りえ恒久性を
生かすべき補給が続かなかった。 本土での補給が続かない
と言うのであるから手のうちようが無い。
こうなると神出鬼没の機動部隊との喧嘩は決着が付いた状態
と言えるだろう。
それでも次々と、そして小出しに繰り出される特攻機が
米機動部隊を襲い掛かるものの、強力な迎撃網に引っ掛かり
攻撃は成功し難くなっていく。


新鋭の艦載雷撃機天山も特攻出撃に多用され、画像のように
魚雷を装備する事は絶望的となった。
艦載機雷撃機が爆弾を抱いて陸上基地から発進する。
それだけでも、搭乗員は悔しい思いだったろうと思う。


戦闘が日本近海に移って来た頃、日本軍もようやく島を守
るには空母は必須だと気付き始めたようだ。
機動部隊で海上の制空権を握られれば、大小に関わらず島は
孤立する。 大きな沖縄も、小さな硫黄島も、もっと小さな
南鳥島も、結局は空母機動部隊に制空権を握られ孤立。
そして陥落していったのだから。
日本という国自体が巨大な島と言える以上、これらの側面か
らだけ見ても、陥落するのはやむ終えなかったと言える。





特集見出しに戻る