数字の錯覚
1マイルは前述のように、1609.344mになる。
算数の計算上、1平方マイルとは、1マイル×1マイルである。
ところで、1マイル=1609.344m=1.6kmなのであるから、
1.6km×1.6km = 2.56平方km = 1平方マイルである。
これくらいなら何とかイメージの範囲内かと思う。
さて、1.6kmが1600mと考えれば
1600m×1600m = 256万平方m = 1平方マイルとなる。
2,560,000平方m、である。
何かイメージと違ってくる桁になってきた。
ところで、1マイル×1マイルの1平方マイルから、少し小さくしてみる。
0.9マイル×0.9マイルは、0.81平方マイルとなる。
同じ10%引きで 1440m×1440m = だいたい207万平方mになる。
まだ200万平方mである。 かたや0.81平方マイル。
数字上、0.8平方マイル とは 200万平方m なのである。
この数字からくる「印象」の違いに気付いて頂けるだろうか?
とかく米軍の記録は、特に「焼失面積」については 平方マイル の単位
が多いのであるが、日本人はマイル表記に慣れていない事が多い。
まだしも平方mの方がイメージには合致するのではなかろうか。
0.8などという数字とはかけ離れた現実がそこには隠れているのだ。
左:おそらく終戦直前8月14日の第8次大阪大空襲後の大阪城周辺。
赤い枠内が陸軍の大阪砲兵工廠の敷地の一部。
多くのクレーター状の爆弾痕がある事から、かなり大型の爆弾が使われた事がうかがえる。
第8次空襲では、砲兵工廠を破壊するために、1t爆弾が700発投下された。
それまでの爆撃では被害が少なかった砲兵工廠はこの爆撃で破壊された。
さらに画像下方の住宅地域にも多くの破孔が見てとれる。 住宅地域に1t爆弾・・・。
右:現在の同地区周辺をグーグルマップより引用。
赤枠の1辺が1400m程で、ほぼ200万平方mになり、0.8平方マイル相当となる。
この広さが0.8平方マイルである。 大阪城は敷地ごとスッポリ入る。 これが0.8。
原画像を180度回転させた画像だが、大阪城が中央下方に写る。
上掲の地図とほぼ同じ方角になっている。
数字や単位で錯覚する事のないようにして欲しい。
0.8平方マイルとは、広大な面積なのだ。
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