P51ムスタング



1500馬力 703km/h
700km/hを越える速度性能、12.7mm機銃6丁の火力、往復で
2400kmを飛び空戦出来る航続性能、優れた運動性能、後方警戒用
レーダーやジャイロ式OPL照準器などの最新装備。
まさに、第2次大戦における量産型レシプロ機の決定版である!
初期の機体に装備されたアリソンエンジンをロールスロイス・マーリン
エンジンに乗せ代えて、見違える程の高性能機に大化けした。
最終生産型は2200馬力のエンジンで、800km/h近い速度を
マークしている。 ほぼレシプロ機としての限界である。
短期間で設計されたとは思えない程に機体性能が非常に素晴らしく、
特に冷却器周辺の処理と層流翼を採用した主翼は、これ以上のものは
望めない程の設計で、現在でも研究対象になっているくらいである。
P51もD型に至ってバブルキャノピーとされ、視界の向上を図っている。
A型はともかく、B型とC型は生産された工場が違うだけで、基本的には
同一の機体である。
米海軍でも実際に数多く着艦試験(!)をして、この高性能機の制式採用
を検討したものの、液冷機に対する敬遠から、採用には至らなかった。
着艦フックを降ろしているP51の姿は、違和感がある。
対日戦で猛威を振るい始めたのは硫黄島進出後であるが、その頃には
まともに対抗できる機材も数も日本には無く、パイロットの技量的にも、
採用できる戦術的にも、もはや勝ち目は無かったのが現状である。
P51と相対した日本の搭乗員は口を揃えて「最も手強い」と評する。
P51単独(実際は航法指示機としてB29が随伴する場合も多い。)で
ファイタースイープ(戦闘機狩り)に飛来する場合と、B29の爆撃護衛
に飛来する場合があったが、両方ともに日本軍機にとっては厄介で対応
しにくかったと言う。

画像の角度だと、本機の特徴の層流翼が良くわかる。

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