B17 フライングフォートレス



1200馬力4発 510km/h
戦前から開発されていた4発機で、主にヨーロッパ戦線で活躍した。
太平洋のソロモン戦線にも顔を見せている。
試作時の競争相手が双発機を出して来たのに対して、ボーイングの
モデル299は4発機であった。 後のB17の誕生である。
1934年5月に計画が動き出し1935年7月に試作機が進空。
日本では96艦戦が誕生した頃である。
その時期に4発ターボ過給器付きのB17を飛ばしたのである。
既に恐るべき彼我の差が、決定的に現れていると言えよう。
良好な防弾装備や強力な防御火網だけが強調されがちではあるが、
この機体の真骨頂は、排気タービン過給器による高高度性能と
ノルデン精密照準機の装備にある。
この2つの装備のおかげで戦闘機の迎撃しにくい高高度からの
編隊爆撃が、より精度の高い集中爆撃となり本機の爆撃能力の
向上に直結している。
爆撃機に防弾装備・防御装備は必要だが、爆撃能力こそが爆撃機
の本分なのである。
ヨーロッパ戦線での米第8空軍の活躍と損害は特に有名で、多くの
搭乗員の命と引き替えの、貴重な写真や映像が残っている。
幾度も改良が加えられており、初期型と最終型とでは性能にかなりの
開きがあるが、防御火器の装備位置などで、だいたいの区別がつく。
「戦略爆撃」と言う新たなカテゴリーを切り開いた第2次世界大戦で
あったが、その先鋒を務めたのが本機と言えよう。

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