B25 ミッチェル



1700馬力2発 443km/h
この機体は世間一般の評価よりも、ずっと凶悪な戦歴を持っている。
有史以来の一撃を帝都に加え、ソロモン、ガダルカナル、マーシャル諸島や、
東南アジア、アリューシャン列島にと、太平洋戦線だけを見てもほとんどの
戦線にその姿を現している。
その上、ヨーロッパ戦線から北アフリカ戦線でも活躍。
双発爆撃機としては極めて優秀な機体であろう。
日本で言えば九九双軽あたりとして扱われる機体なのだが、性能的には更に
上の「呑龍」か「飛龍」に匹敵する。 この扱いの違いをとって見ても、彼我の
戦力差を思い知らされる。
南方で、哨戒機として出撃した一式陸攻などが、ヒ連送を残し行方不明になる
場合は、同じ哨戒任務中の米軍「B」シリーズにやられる場合も多いと言う。
当然ながら本機もそれに含まれる。
前方に8丁以上の固定機銃を集中する攻撃機としても運用され、多用途
ぶりもうかがわせている。
ダンピール海峡では、初めてスキップボミングを敢行して、日本輸送艦隊
の過半を南海の藻屑とせしめ、その悲劇を演出した。
超低空で海防艦の直上を通過する写真や、機銃を射ちながら輸送船を飛び
越える映像が残されている。 現在ではアクロバット飛行の領域の飛行を
薄いとは言え対空弾幕の中で行うのである。 戦争の極限を感じさせられる。

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