P−63 キングコブラ



1325馬力 660km/h

P−39の色々な誤算を鑑みて改良された機体。
ディジグネーションが違うので後継機なのだが、試作段階ではP−39を
流用して製作されていた。
実際の機体は全長9.2mのP−39に対して、9.9m。
全幅10.3mのP−39に対して11.6m、と大型化している。
全備重量も3.5tが4.0tに増加している。 それでもアメリカ機としては
かなりコンパクトなものだが。 無論、形が似ているだけで別機である。
エンジンも1150馬力から1325馬力へと、15%程出力アップ。
アメリカらしい大型化への進化の系譜をたどっているのがわかる。
しかし、いくら層流翼を採用しているとはいえ、1300馬力台のエンジン
1発で、660km/hも出るとは、どうも信じがたいが、それ以外の資料
がないのでそうなんだと考えると、機体設計は秀逸であると言える。
機体の開発目的自体はP−39が運用された、低空での戦闘攻撃機的
な運用を想定されており、12.7mm機銃を機首と主翼に合計4丁装備
すると共に、P−39譲りのプロペラ軸37mm砲も健在。
しかし、低高度に特化したかと言えばそうでもなく、660km/hの速度を
記録しているのは7600mに於いてなので、P−39より高高度性能も
かなり改善されている。
ただ、時代はP−47やP−51が飛び回っている時代である。 どうして
も見劣りするのは否めない。 しかも何事にもトレードオフがある。
航続距離が1700kmから700km程へとかなり落ちているのだ。
全備重量での軽量化はここらへんから来ているのかもしれない。
結局、3300機の生産機数の内、2400機をソ連に供与している上に
米陸軍では戦闘行動を行っていない。

画像はソ連に供与された機体の列線。 ものすごい数である。

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