SC−1 シーホーク



1350馬力 504km/h
カーチス社として大失敗に終わった前作のSO3Cの汚名を払拭すべく
起死回生の水上偵察機。 驚くべきは偵察機なのに乗員は1名のみ。
何よりの理由は、無線機の信頼性と取り扱いの容易さだろう。
そして、さすがに1944年初飛行の機体だけに、エンジン出力すらも
零戦を上回っており、オプションで翼下にレーダーも装備でき、爆弾も
150kgを両翼下に1発ずつ吊るせて、更にフロート内部にも爆弾倉
が装備されていた。 ついでに主翼には12.7mmが計2丁。
単座なので自動操縦装置も装備してある。 航続距離は1000km程
だが、零戦の搭乗員は「手」で2000kmを飛んで空戦をした。
制式年次の違いはあるが、こういった所にもアメリカの機械力が見える。
その上、乗員の後ろには、緊急時には2人ほどの要救助者を乗せる事
ができるスペース付き。 豪華である。
極めて性能の良かった水上偵察機だったらしく、採用即500機発注の
力の入れようだったが、残念ながら活躍の場は限られていった。
水上偵察機のカテゴリー自体が消え去ろうとしていたのだから。
艦隊に配備された機体もだんだんと姿を消していき、ヘリコプターが配
備されだすと、完全に姿を消すことになった。
マイナー改良型のSC−2型はフロートを取り払って主脚を付け、陸上
機として配備された。

日本は主翼下に双フロート方式が多く、アメリカは胴体下の単フロート
が多いようだ。 設計思想の違いが出ているのだろうか。

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