SO3C シーミュウ



600馬力 277km/h
前任の複葉水上偵察機SOCの後継機として開発が始まったが、いかにも
カーチス社の機体らしい形状で、後のSB2Cにも似ている形状の機体が
何かを感じさせる。
海軍が陸上機としても運用できることを前提にしていた為、1939年に
陸上機型として簡単な固定脚を装備して初飛行したが、水上機型に改修さ
れた時に、単フロートの取り付けが複数の入り組んだ骨組みだった前任の
SOCと違い、空力考慮された1本の支柱で固定されていていかにも新鋭
の水上機に見えた。 飛行中の安定性不足が指摘された為、機体後方下部に
あったベントラルフィンを廃止して、代わりに垂直尾翼面積を拡大。
主翼端には現在のウィングレットのような跳ね上げを設けた。 もちろん
現在のような燃費を考慮したり、アウトフローを防ぐ意図ではなく、単純に
安定性の強化の為である。
エンジンは星型高馬力に比べて数に余裕のあった、水冷倒立V型エンジンを
装備したので、機首が細長くなっている。 そのエンジンの改良なども含め
いくつかの型が生産され、一部はイギリスにも供与された。 
ところが配備部隊での評判はかんばしくなく、自社製である前任のSOCの
完全代替にはならず、それどころか競争試作のヴォートOS2Uにほとんど
シェアを取られた形になってしまった。
イギリスに送られた機体も実戦で使われることは無く、訓練用として運用さ
れたという。
結局前任のSOCを代替するどころか、そのSOCよりも早く1944年中
には退役してしまった。

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