L−5 センチネル



185馬力 210km/h
スティンソン・エアクラフト社の開発した民間型軽飛行機モデル105ボイ
ジャーを軍用に転用した機体で、1942年に米陸軍で本格導入が始まった。
1943年からは、民間用を転用していた12Vの電圧を、軍用に適するよ
う24Vに強化された。
民間用を転用したとはいえ、垂直尾翼前縁がわずかに延長されており、ドー
サルフィンと同様の効果から、安定性が高まったと伺える。
同時期に活躍したL−4に比べ、出力で約3倍、最大離陸重量で2倍と、能
力が大きく上回っている。
そのおかげで、胴体右側に設けられた横長のドアから担架に載せた負傷者を
積載する事も出来る型の機体は、負傷者後送の用途としても利用された。
また同クラスの機体に比べエンジン出力が大きかった為、短距離の離着陸性
能にも優れ、それが前線でのハードな条件下でも運用できた理由の1つであ
っただろう。 生産された中には、主翼前縁が下方へ折れるドループエルロ
ンを装備して、更にSTOL性能を向上させた型もあった。
またカメラを搭載した前線偵察を任務とした機体も生産された。
陸軍の前線には便利な機体として、欧州・太平洋両戦線に多数が配備され、
また、OY−1の形式名で海軍や海兵隊にも配備された。
後には日本にも供与され、保安隊時代から自衛隊になってもしばらくは飛び
続けていた。

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