阪本清一郎『回想録』より

「私は始めて穢多と云ふ語を覚へ、自分は穢多に生れたと云ふことは、丁度七、八才の小学校入学してから間もない時であった。一般(外村)の上級生からは云ふ迄でもなく、信頼している先生さへも差別の目を以ていた。学校から帰ると常に母に質した。穢多と云ふ事はどんな事か、なぜ私等の者丈けがキラワレタリ、井ジメラレタリスルのか。それハ自分等の先祖は穢多であったからだ。皆因縁事だ。勉強さへしてエラクなったら、そんな事はなくなるのであると、常ニ涙ながらにきかされた。小供の私には、この因縁と云ふ事はどんなことであるのか、全々解せなかった。」
(阪本清一郎『回想録』より)

[Back]


[Home]
공익재단법인 나라 인권문화재단
수평사 박물관
우편번호 639-2244 나라현 고세시 가시하라 235-2
TEL 0745-62-5588  FAX 0745-64-2288