*アトピー性皮膚炎の定義*
増悪と寛解を繰り返す、掻痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因をもつ。
アトピー素因:家族歴や既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎結膜炎、アトピー性皮膚炎のいずれか、あるいは複数の疾患)がある。あるいは、IgE抗体を産生しやすい素因。
*スキンケア(異常な皮膚機能の補正)*
1:皮膚の清潔
毎日の入浴、シャワー
a.汗や汚れは速やかに落とす、しかし、強くこすらない
b.石鹸やシャンプーを使用する時は洗浄力の強いものは避ける
c.石鹸やシャンプーは残らないように十分にすすぐ
d.痒みを生じるほどの高い温度の湯は避ける
e.入浴後にほてりを感じさせる沐浴剤や入浴剤は避ける
f.入浴後には、必要に応じて適切な外用薬を塗布する
2:皮膚の保湿
保湿剤
a.保湿剤は皮膚の乾燥防止に有用である
b.入浴、シャワー後は必要に応じて保湿剤を塗布する
c.使用感の良い保湿剤を選択する
e.軽微な皮膚炎は保湿剤のみで改善することがある
3:その他
a.室内を清潔にし、適度、適湿を保つ
b.新しい下着は使用前に水洗いする
c.洗剤はできれば界面活性剤の含有量の少ないものを使用する
d.爪を短く切り、なるべく掻かないようにする
*薬物療法*
重症度により治療が異なる
軽症:面積に関わらず、軽度の皮疹のみ
中等症:強い炎症を伴なう皮疹が体表面積の10%未満にみられる
重症:強い炎症を伴なう皮疹が体表面積の10%以上30%未満にみられる
最重症:強い炎症を伴なう皮疹が体表面積の30%以上にみられる
外用薬(保湿剤、ステロイド外用薬)、内服薬(抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤)
2歳未満、2歳から12歳、13歳以上に分けて治療の目安がある。