感染性胃腸炎


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感染性胃腸炎とは、ウイルスや細菌の胃腸への侵入により嘔吐、腹痛、下痢や発熱などの症状が出るものをさします。
ウイルスによる胃腸炎は、毎年冬に多く乳幼児から大人まで幅広くうつります。細菌性胃腸炎は比較的夏に多く発症します。
以前から、サルモネラやカンピロバクター、赤痢などの細菌感染を調べるために便の培養検査が行なわれてきました。 細菌が検出されれば、その菌に効果のある抗生剤を使用すればすぐ症状は消失しますが、途中で止めないで処方された抗生剤は全てのみきることが必要です。
一方、ウイルスによるものは保健適応の検査が開発されていませんでした。
最近、下痢便中のロタウイルスやアデノウイルスの迅速検出検査が保険で出来るようになり、診察室で簡単にできるため、よく行われています。
最近話題になっているノロウイルスやサポウイルスには特別な研究機関でないと正確な検査が出来ません。 ノロウイルスの簡易検査は最近出てきていますが信頼度が低く、そのうえ保険適応ではありません。一方、正確な検査は自費で1万円近くします。 また結果がでるのに1週間以上かかりますから、患者さんはとっくによくなっています。この検査は集団発生した場合に行う程度です。
よく判っていない保育園や幼稚園でノロウイルスの検査をしてもらえと言われこどもを連れてこられる方がありますが、以上の理由でやる意味はありません。 さらに言えば、全くのお金の無駄です。
今シーズン(2007/2008)は、シーズン中に2度ウイルス性胃腸炎にかかる人が時々あります。厚労省のIDSCの調査ではサポウイルスによるものが四分の一程度検出されています。 よって、ノロとサポと両方にかかっている可能性があります。
ウイルスに対する抗体が体の中に出来るとウイルスは殺されてしまい、病気は治り数ヶ月は同じウイルスにはかかることはありませんが、、 弱い抗体しかできず、半年もすればまたかかってしまう可能性があります。 どちらも症状に変わりはなく、診察だけでは区別がつきません。
ウイルス胃腸炎に対する抗ウイルス剤は開発されていません。判っても特別な治療法がなく、その他の感染性胃腸炎と同じ治療をするだけとなります。 細菌性胃腸炎に効く抗生剤は飲んでも効きませんし、かえって下痢が遷延する可能性があります。
ロタウイルス感染はほとんどが3歳以下の乳幼児で、感染すると高熱がでたり、下痢嘔吐がひどく、以前は入院が必要になったりしました。 しかし、最近はロタウイルスにかかっても症状が軽いことが多くなり、座薬と内服薬だけで簡単に治ることが多くなっています。
アデノウイルス胃腸炎は、下痢が長く続くことが多いようです。
ウイルス性胃腸炎の場合何時から登園可能かは、症状が軽快すればとしか言いようがありません。なぜなら、便からは2週間程度はウイルスは排泄されるからです。 普通に園で生活する限りは問題ないと思います。プールはだめでしょうが。
細菌に対する消毒は、今まで通りのアルコールで十分ですが、ノロウイルスは界面活性剤入りの漂白剤(キッチンハイター、ハイター、アリエールなど)を200倍程度に薄めて 使用しないと効きません。